NTN、小型・軽量のトルクダイオードを開発

産業機械の小型・軽量化に貢献し、省エネルギー化と安全性を向上

NTN株式会社(以下、NTN)は、逆入力遮断クラッチ「トルクダイオード®」の新たなラインアップとして、従来品*1に対して外輪外径を1/3(10mm)、重量を1/14(5g)にした小型・軽量のトルクダイオード「TDL8」を開発しました。

「トルクダイオード®」は、モータと変速機など2つの動力伝達軸の間に使用し、入力軸からの回転(トルク)を出力軸に伝達し、出力軸からの回転(トルク)は入力軸に伝達しない逆入力遮断クラッチです。トルクダイオードには、出力軸を回転させようとしても、出力軸がロックされ、入力軸へ回転を伝達しないロックタイプと、出力軸を回転させると、出力軸が空転し、入力軸へ回転を伝達しないフリータイプの2種類があります。

ロックタイプのトルクダイオード(以下、TDL)は、外輪と内輪、保持器、ころ、ばね、側板で構成されており、お客さまで用意される入力軸とともに使用します。入力軸の回転は、内輪と一体化した出力軸に伝達される一方、入力軸が回転しない場合には、ころとばねが出力軸をロックし、逆入力を遮断します。同様の機能を持つ電磁ブレーキと比べて、TDLは電気や配線が不要となるため、搭載機器の省エネルギー化が可能となるほか、停電時における安全性能にも優れています。

これらの特長を活かし、TDLは意図せぬ出力軸の回転を防止するための逆入力防止機構や、停電時など入力軸の回転が停止した際の安全確保を目的とした落下防止機構などに使用されています。例えば自動車においては、シート座面の高さ調節時に、レバー操作によりシートを上下させ、操作がない時はその高さを保持するシートリフタ機構に採用いただいています*2。

今回開発した小型・軽量トルクダイオード「TDL8」は、新たに開発した極小径のころに加え、従来よりも省スペースを可能とする独自形状のばねを採用することで、当社従来設計を適用した同サイズの商品に比べ、ころを多く組み込んでいます。これにより、当社従来品「TDL28」から1/3の小型化となる外輪外径10mmと1/14の軽量化となる重量5gを実現しました。

本開発品は、従来品から大幅な小型・軽量化を実現しており、搭載機器の小型・軽量化・省エネルギー化に貢献する商品です。また、搭載機器を小型化することができれば、その機器を加工するために必要な電力や切削液、工具の消費などを抑えることもでき、機器の製造時における省エネルギー化や環境負荷の低減にも寄与します。

世界全体でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが進められる中、NTNは本商品を逆入力防止機構や落下防止機構を持つ機器をはじめとする各種産業機械向けに幅広く展開し、機器本体やその製造時における省エネルギー化を通じて持続可能な「なめらかな社会」の実現を目指してまいります。

クラッチ関連商品カタログ(Cat.No.6405/J)
https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/ja/6405/index.html

2010年6月1日プレスリリース:自動車シートリフタ用「薄型トルクダイオード」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201000037.html

特長(当社従来品「TDL28」比)
1) 小型 : 外輪外径10mm、従来品比 1/3(TDL28:30mm)
2) 軽量 : 重量5g、従来品比 1/14(TDL28:70g)

用途
各種産業機械(逆入力防止機構や落下防止機構など)

商品写真
主要寸法:外輪外径10mm

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構造

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入力軸の回転は出力軸に伝達される

 

ロックタイプ トルクダイオードの機能

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出力軸を回そうとしても出力軸が回らず入力軸に回転が伝達されない

 

本開発品の適用例(落下防止機構)

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参照元:PRESS CUBE